評判は評判を生む。
友人のA君から面白い話を聞いた。
久しぶりにゴルフに出かけた時のことである。
いつも友人A君の愛車(H社製)に同乗させてもらってゴルフ場に向かうが、
私の知る限り、A君はH社ひと筋。それも筋金入りだ。
いかに愛車が素晴らしいか、H社のクルマが優れているか、
ゴルフの度に散々聞かされてきた。
だから、これからもひと筋かと思いきや、ガラリと変わっていた。
彼はすっかりT社ファンになっていた。
A君の愛車は秋に車検を迎えるという。
この際だから買い換えようと、各メーカーのディーラーを回り、試乗をして吟味し、
家族とも相談した結果、T社の人気のハイブリッド車Pに決めたという。
「エコ減税も燃費がいいのも有難いし、
乗ってみたら意外に車内も広くてよかったからね。」
早速、T社のディーラーにPを注文したが、
なにしろ人気でもあり、受注が殺到していて、
納車は早くて11月になるという。
さすがに車検切れから納車までの間、クルマなしは厳しいというので
間は代車でつないでもらうことになった。
そんな矢先、思いも寄らないことが起きた。
車検でさよならするはずの愛車がへそを曲げた。
聞きわけのいい、わがままを言わない=低燃費でハイブリッドな新しい"彼女"=Pに
うつつを抜かし、ついにはPに乗り換えるA君にあてつけるかのように・・・
出先で突然、故障したのである。
家族で出かけたその日はうだるような暑さ。まいった。
専門業者の到着を待ち、ようやく見てもらうと、
故障の原因がバッテリーの老朽化であることがわかった。
交換しないと乗れないという。
その日は足を失い、渋々電車とバスを乗り継いで帰宅した。
くたくたになった。一家のレジャーは当然ながら台無しだ。
さらに困ったのは、バッテリーが旧型で
なかなか手に入らないものだということだった。
頼りにしていた馴染みの業社にもさじを投げられてしまい、
車検を待たずして、物理的に車が使えない状態になってしまった。
こうなると一刻も早くPが欲しい。
そこで、
「なんとか早く納車してもらえないか」
A君は担当のディーラーにせっついた。








